派遣会社のマージン率のタブーを暴露!取りすぎ?ピンハネなのか解説

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「派遣会社はマージン率が高くて派遣社員を搾取しているのでは?」

「派遣会社のマージン率のタブーが知りたい」

とお考えではないでしょうか。

ご自身の給料から派遣会社がどれだけマージンを取っているのか、ピンハネされているのか派遣会社のマージン率のタブーを暴露していきます。

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派遣会社のマージン率のタブーを暴露!

派遣社員として働く上で、切り離せないのが「マージン率」ではないでしょうか。

ここでは、以下の派遣に関するマージン率のタブーを暴露していきます。

派遣会社のマージン率のタブー
  • 派遣会社の利益率は1.2%程度で儲かっていない
  • 実際にマージン率の上限は設けていない
  • 派遣先から正規の派遣料金を払ってもらえないこともある
  • マージン率が低い派遣会社=時給面が良いとは限らない
  • マージンの取りすぎを国会で問題視されている
  • 派遣先企業の91.4%は派遣料金を上げている
  • じつは派遣の平均時給は毎年上昇している

派遣会社の利益率は1.2%程度で儲かっていない

全国の派遣会社が加入している一般社団法人日本人材派遣協会によると、派遣会社の利益は1.2%とのことです。

引用 一般社団法人日本人材派遣協会

内訳を見ると、派遣料金の70%は派遣社員に支払われていて、残りの30%は派遣社員の有給や会社負担の社会保険料、派遣会社の運営費用に充てられています。

派遣料金の内訳

内訳割合
派遣社員の給与70.0%
派遣社員と折半する
会社負担の社会保険料
10.9%
派遣社員の有給費用4.2%
諸経費
(派遣会社の運営費)
13.7%
税引き前利益
(営業利益)
1.2%

経費を差し引いた営業利益は平均で1.2%程度。意外とピンハネしていないですね。

なお諸経費には派遣社員の研修費も含まれています。

一般的に事務系の派遣会社の利益率は低く、ITや製造系エンジニアなど高スキルが求められる技術派遣会社の利益率は高めです。

いずれにせよ派遣会社は、利益率が低いことを特徴とする薄利多売のビジネスモデルになります。

実際にマージン率の上限はない

派遣のマージン率の上限ってどのくらいなのか気になりませんか。

派遣会社は、派遣社員に最低賃金以上の給与を支払っていれば、マージン率が高くても法律的に問題ないです。

また派遣会社は業務未経験者に対して一定の時給を確保するために、経験者のマージン率を上げて時給を低く調整する場合もあります。

収益性の低い仕事を多く受注せざるを得ない競争力の低い派遣会社では、派遣料金も安い上にマージン率も高く設定することもあるので、派遣社員の給料が相場より低い傾向があります。

競争力の低い派遣会社で働くことは避けた方がいいです。競争力が強い大手派遣会社から優先的に選びましょう。

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派遣先から正規の派遣料金を払ってもらえないこともある

契約期間中に辞める派遣社員が後を絶たず、派遣会社は派遣先企業から正規料金を払ってもらえないケースも少なくありません。

以下のような場合は派遣先企業から派遣会社に派遣料金が支払われない場合があります。

  • 初日で辞める人
  • 寮付き派遣で姿を消す人
  • 給料を前払いして音信不通になる人

派遣先企業から派遣会社に派遣料金が支払われなくても、派遣会社は派遣社員に対して働いた分の給与を払う義務があるため、赤字になるケースが多いです。

マージン率が低い派遣会社=時給面が良いとは限らない

マージン率が異常に低い会社は、派遣先企業から派遣会社に支払われる派遣料金が安い可能性があります。

「薄利多売」の戦略で、一つ一つの取引での利益は少ないですが、大量の取引をすることで全体の利益を確保しようとするものです。

マージン率が低い派遣会社の特徴は以下の通りです。

  • 交通費が切り捨てられる
  • 時給が引き下げられる(単発に多い)
  • 派遣先のキャンセルが多い
  • 派遣会社の質が悪い
  • 福利厚生が充実していない
  • 事業停止処分や改善命令を受けた過去がある

マージン率が低い派遣会社は競争力が弱く、スタッフへの教育や福利厚生にも十分なお金をかけられないでしょう。

マージンの取りすぎを国会で問題視されている

2022年6月3日の参議院予算員会では、「派遣会社のマージン率が平均で35.6%と高い水準である」と問題視されました。

例えばマージン率が33%の場合。

派遣料金額が月30万円だと労働者の賃金は20万円、派遣会社の取り分は10万円です。

マージンには社会保険料や教育訓練費なども含まれていますが、自民党内では「それでも高すぎる」との指摘が。

「15%くらいにするべきでは」と討論されました。

派遣先企業の91.4%は派遣料金を上げている

2022年に厚生労働省が発表した「派遣労働者実態調査」の結果によると、91.4%の派遣先が「派遣料金を引き上げた」と回答しています。

2020年4月に、「派遣労働者の不合理な待遇格差」を解消するため、労働者派遣法の改正がありました。

調査の結果では、4割近くの派遣先が派遣会社の要望を受け入れ、派遣労働者の待遇改善のために派遣料金の引き上げに応じていることがわかります。

参考 労働政策研究・研修機構(JILPT)

じつは派遣の平均時給は毎年上昇している

派遣労働者実態調査では、派遣労働者の賃金は上昇傾向にあり、待遇面でも改善が見られています。

区分平均賃金
前回調査時(2017年)1,366円
今回調査時(2022年)1,510円

2022年の派遣労働者の平均賃金(基本給、税込時給換算)は1,510円。前回調査時(2017年)時給1,366円と比べて144円の増加しています。

派遣労働者実態調査では派遣労働者の賃金に関する満足度の調査も実施していました。以下、結果です。

賃金満足度2022年調査2017年調査
満足している41.1%34.2%
満足していない38.0%39.1%
どちらとも言えない19.6%24.2%

前回の調査と比べると、「満足している」が7ポイント近く上昇しており、賃金満足度の改善傾向が見て取れます。

各手当についての調査も5年前と比べて、改善傾向にあります。

諸手当や各種制度現在の調査前回調査
通勤手当の支給がある84.4%51.0%
賞与・一時金の支給がある31.9%19.6%
昇給が実施されている28.2%15.2%

参考 労働政策研究・研修機構(JILPT)

派遣会社はマージン率を公開しないと罰則がある?

派遣会社は、マージン率を公開しなければ罰則はあるのでしょうか。

ここでは、マージン率の公開義務や内容について詳しく解説していきます。

2012年からマージン率の公開義務がある

2012年の労働者派遣法改正により、マージン率の公開が派遣会社に義務付けられました。

2012年労働者派遣法改正

派遣元事業主は、労働者派遣事業を行う事業所ごとのマージン率などのあらかじめ関係者に対して知らせることが適当である事項について情報の提供を行わなければならない(法第23条第5項)

厚生労働省

また派遣会社の各事業所に以下7項目の情報公開することも義務付けられています。

引用 ハローワーク

7項目の情報公開は、派遣会社の各事業所全体の平均値であり、派遣の仕事1件別の情報公開ではないのであくまでも目安の数字です。

マージン率はインターネットでも閲覧できる

各派遣会社の事業所別マージン率はインタネットで手軽に閲覧できます。

以下、テンプスタッフのマージン率公開情報です。

引用テンプスタッフ公式サイト

「派遣会社名 マージン率」とインタネット検索すると派遣会社のマージン率が表示されるので、仕事したい派遣会社のマージン率を一度検索してみてください。

各派遣会社のマージン率の内訳

ここからは、職業別のマージン率の内訳について解説していきます。

マージン率の計算方法

マージン率の計算方法は、以下の計算式で算出します。

引用 厚生労働省

派遣料金の平均額が21,064円、派遣労働の賃金の平均額が14,712円の場合で計算してみましょう。

【計算方法】

(マージン)21,064円 - 14,712円 = 6,352円

(マージン率) 6,352円 ÷ 21,064円 × 100 = 30.2%

マージン率は30.2%です。

一般的な派遣会社はマージン率30~33%

サービス業や事務系、工場作業、軽作業の平均マージン率は30~33%が基準です。

マージン率の中には以下の項目が含まれています。

マージン率の内訳
  • 派遣社員と折半する会社負担の社会保険料
  • 派遣社員の有給費用
  • 諸経費(派遣会社の運営費)
  • 税引き前利益(営業利益)

上記のコストを賄うためには、一定のマージンが必要です。

30~33%程度のマージン率は、妥当な金額ではないでしょうか。

あくまでも相場ですので、地域や職種によって30%を下回る、あるいは40%をこえるケースもあります。

現状は「妥当である」と考える方もいる一方で、「30%は高すぎる」と賛否両論のようです。

エンジニア・施工管理派遣などの技術派遣はマージン率40%前後

エンジニア・施工管理派遣などの技術派遣の場合は高いスキルが求められ、研修費が高いのでマージン率40%と高めに設定されています。

マージン率が高いからといって、派遣会社が多めにピンハネしていません。

マージン率を高く設定することで、スキルアップ研修や福利厚生が充実します。

一方マージン率が高くてもスキルアップ研修や福利厚生が充実していない場合は、悪徳派遣会社の可能性もあるでしょう。

大手派遣会社のマージン率一覧

大手の派遣会社は、どのくらいのマージン率なのか気になりませんか?

ここでは大手派遣会社6社の2022年度のマージン率をまとめてみました。

派遣会社名マージン率
テンプスタッフ
(新宿オフィス)
30.2%
パソナグループ
(本社)
30.8%
マンパワーグループ
(日本橋第一オフィス)
30.5%
アウトソーシングテクノロジー
(東京支社)
44.0%
テクノプロ
(新宿支店)
42.8%
夢真
(東京本社)
48.4%

テンプスタッフ

テンプスタッフは事務職から研究開発職、製造業、介護職まで、幅広い職種の人材を派遣する総合人材派遣会社です。

新宿オフィスのマージン率は30.2%。徳山オフィスは49.3%と地域によってバラツキがありました。

【徳山オフィス】

引用 テンプスタッフ

【新宿オフィス】

引用 テンプスタッフ

テンプスタッフは、地域によってマージン率が違うことがわかります。

パソナグループ

パソナグループも事務職からIT技術者、営業・販売職まで、幅広い職種の人材を派遣する総合人材派遣会社です。

本社のマージン率は、30.8%。長崎支店は29.0%、新潟支店は28.2%と30%を下回っている支店もありました。

引用 パソナグループ

営業利益は0.59%で、残りは人件費などの事業運営費と派遣社員の社会保険料に補填されています。

マンパワーグループ

マンパワーグループは全国に153の営業拠点があり、事務からIT、介護まで幅広い分野の人材派遣を行う総合人材サービス会社です。

日本橋第一オフィスのマージン率は、30.5%です。平均マージン率は29.5%となっています。

引用 マンパワーグループ

ビジネスマナーやスキルトレーニングといった職業訓練を無償で提供するなど、キャリア支援に力を入れています。

アウトソーシングテクノロジー

アウトソーシングテクノロジーはITや製造系エンジニア職の仕事を取り扱っている総合エンジニアリング人材派遣会社です。

東京支社のマージン率は44.0%です。

鹿児島営業所は50.5%と高く、郡山営業所は37.5%と地方によって差がありました。

引用 アウトソーシングテクノロジー

電気・電子系研修技術や情報技術研修が無料など、職業訓練に力を入れています。

研修期間中の賃金も保障されています。

テクノプロ

テクノプロは、ITや製造系エンジニア、研究開発など技術者を派遣する派遣会社です。

新宿支店のマージン率は42.8%ですが、高崎支店37.8%、松本支店37.1%と地方によってばらつきがありました。

引用 テクノプロ

仙台支店は46.9%と高く、技術系の場合は、サービスの質を保つ必要があるため、マージン率が高めに設定されています。

システム開発・プログラミング等研修や、分析機器等化学系研修など無料で学べ、研修中の賃金も保障されています。

夢真

夢真は、建設会社の工事現場に、施工管理要員として派遣する技術者派遣会社です。

東京本社のマージン率が48.4%と最も高く、新潟支社は41.0%と地方によってバラツキがありました。

引用 夢真

全体的に40%を超えているため、マージン率は高めといえそうです。

安全衛生教育やCAD研修、施工管理研修など、有休扱いで学べる仕組みです。

【メリットが多い!】マージン率が高い派遣会社の特徴

マージン率が高い派遣会社は、どのような特徴があるのでしょうか。

労働者と派遣先のメリットについて、まとめてみました。

派遣労働者からみたメリット4選

  • トラブルに対して手厚いサポートがある
  • 福利厚生制度が充実している
  • 教育研修プログラムが用意されている
  • 営業担当者が親身に対応してくれる

ただしマージン率が高くなると、派遣料金と派遣労働者の賃金の差が開きます。

金額の差で「ぼったくり」「ピンハネ」と感じてしまうのでしょう。

派遣先企業からみたメリット4選

  • スムーズなコミュニケーションが取れる
  • 派遣スタッフのフォローアップなど、手厚いサービスを受けられる
  • 会社の体制が整っている
  • 法律を遵守し、コンプライアンス意識が高い

一時期はマージン率だけが高く、サービスの質が伴わない悪質な派遣会社も存在しました。

現在の派遣会社は、派遣先企業と派遣社員の両方のニーズに応えるために、質の高いスキルアップ研修や充実した福利厚生を提供しています。

マージンが高いからといって、派遣会社が儲かっているわけではないです。

「オフィスワーク」に特化!

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冒頭の紹介と重複しますが、こちらはオフィスワークに特化した大手派遣会社です。

信頼と実績がある大手派遣会社で「高時給」「求人数が豊富」「専任担当者のサポートが手厚い」といった特徴があります。

  • パソナ
    ⇒業界大手の派遣会社、「高時給」「未経験OK」「オフィス職」の求人が多い
  • ランスタッド
    ⇒業界大手の派遣会社、「オフィス職」「未経験OK」の求人が多
  • マイナビスタッフ
    ⇒大手マイナビ運営、「オフィス職」「クリエイティブ職」「未経験OK」の求人が多
  • テンプスタッフ
    ⇒業界トップクラスの求人数を保有、「オフィス職」「未経験OK」の求人が多

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工場・製造業専門の派遣会社・求人サイトおすすめ【5選】

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まとめ

今回は、派遣会社のマージン率のタブー、マージン率の相場について解説してきました。

地域や業種によって異なっていますが、派遣会社のマージン率の相場は30~40%です。

マージン率は、社会保険料、職業訓練費、事業運営費などに当てられています。

派遣会社としての利益は1.2%で思ったほど儲かっておらず、ぼったくっているわけではありません。

マージン率が高い=利益ではなく、派遣社員へのサービスの質を維持するために必要なコストが含まれているのです。

「闇がある」と予想していたかもしれませんが、実際には理にかなった運営をしています。

ぜひ派遣会社を選ぶときは、公開されているマージン率をチェックしてみてください。

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