30件断られた協力隊。ようやく出会えた地域で学んだにぎわい創り:茨城県八千代町地域おこし協力隊_草栁安子さん

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茨城県八千代町地域おこし協力隊の草栁安子さんは、コロナ後に地域おこし協力隊を目指すも、なんと30件以上断られるという事件が起こります。それでも諦めずに繋がりを求め続け、ついに茨城県八千代町で運命的出会いを経験。以後3年間、地域のにぎわいを創出する数々のイベントを企画し続けてきました。

そんなエネルギッシュな草栁さんに、八千代町との出会いから、現在の活動であるにぎわい創出プロジェクトのイベント企画、また今後の展望についても伺いました。

青空と畑が広がる農業大国

茨城県結城郡八千代町は茨城県の西部に位置します。結城市、下妻市、古河市、常総市、坂東市という5つの市町村に囲まれた、人口約2万人の農業が盛んな町です。

この辺り一帯は関東平野と呼ばれ、高い建物が全くありません。青空が近くて、少し走ると、白菜やキャベツなどの野菜の畑が広がります。青い空と緑の畑のグラデーションが非常に目に眩しい、穏やかなところです。実は、東京からも車で約60キロぐらい。時間にして約1時間半で来られちゃいます。
こちら、八千代町のキャラクターで、白菜の「八菜丸(はなまる)くん」というキャラクターです。八千代町は白菜の生産量が日本一。つくば山麓の恵みをたっぷり受けて、野菜や果樹、お米もとてもおいしいということで、ふるさと納税でも人気です。
東京の八百屋やスーパーで見かける白菜は茨城県産が多いです。関東地方の皆様のお台所を支えています。生産量2位のメロンは、子どもたちは普段から学校の給食で食べていて、お家の玄関にゴロゴロ転がったりしているそうで、東京の人間からしたらすごく贅沢で驚きました。農業大国・八千代町で育ったおいしいお米、お野菜、果樹、ぜひ皆様にも食べていただきたいです。

コロナで諦めた地域のつながりを、もう一度

八千代町の前は東京の練馬区に住んでいました。夫が不動産のNPO事務局をやっていて、私も一緒に事務局スタッフとして、メールで不動産相談を10年以上やってきました。家にいる必要がなかったので、ワーケーション、多拠点という言葉が出る前から、海、山、都会の三拠点生活でした。寒い時は暖かい海に近い千葉、暑い時は涼しい埼玉の秩父の山の中、確定申告と年末年始だけ東京に帰る。こんな生活をのんびりやっていました。

その後、長野、新潟、岐阜、愛知などを訪れ、いろんなゲストハウス、コワーキングスペース、シェアハウスに行っていました。移住体験住宅や、空き家バンク、地域おこし協力隊のイベントにも、よく行っていました。空き家・空き地・空き店舗を空き家バンクで購入もしました。不動産のNPOの活動もあるので良い経験になりました。その物件を地域の皆さんに使ってもらおうと考えていたんですが、そこでコロナになったんです。

私は地域の人との繋がりがないまま物件を購入しましたので、東京から人が来ないでほしいっていう空気感でしたから、一旦諦めて、一歩も家から出ないで、オンラインコミュニティを作って活動しました。オンラインで話したいこと話したり、書道教室、手芸、詩を作って発表し合あうなど、自分がやりたいこと好きなこと出来ることなどスキルシェア体験をご一緒してました。楽しかったのですが、自分自身が具体的に「仕事をどうするのか」と考え、地域に移住して、地域の課題解決のお手伝いをしながら、生涯できる仕事を創ろうと思ったんです。

協力隊を30件断られた

ところがですね、私、車の免許がなくて。書類審査で立て続けに4箇所落ちたんです。「免許ないとダメなんですよ」って言われました。そこで免許がなくても応募できる自治体を探しました。30か所以上断られて、なんとか応募できる自治体を、数か所見つけました。ようやく応募までこぎつけたので、「1番最初に受かったところでやろう」と決めました。1番最初に合格をいただいたのが、八千代町さんでした。

面接まで通った他の自治体では、ガチガチに緊張しました。緊張が最高潮で体も声も震えて、全く落ち着けない状況だったんです。
一方で八千代町さんは、受付で「お待ちしてました」とエスコートされてエレベーターの中でも普通に話して、会場に着いたら、面接まで30分ぐらい話して。面接で話す予定だったこと、面接の前に全部話しちゃったんで緊張がほぐれました。面接では、練習してきた、面接で言いたいことは全部言えました。言い足りないことも、終わった後のエレベーターに乗る間まで言い尽くしました。だから力を出し切れた、これで落ちたらもういいやと、全く後悔なかったですね。帰りも下まで送っていただいて、すごくおもてなしされた感じでした。

私、名前が「ちよこ」なんです。八千代町で、ちよこ。「ぴったりでは?」内心思っていました。そこで、どうしても八千代町に受かりたいっていうアピールで、名前の由来も伝えたんです。そうしたら「わかった、草栁さんって言いづらいから、今日からちよちゃんって呼ぶね」って言ってくださったのが部長さんでした。部長さんに名前を覚えてもらえただけで、もう、120パーセント力発揮です。
その部長さんが、着任して最初のイベントをやった時に、お昼食べに来てくださいってお誘いしたら、本当に来てくださいました。その時に、「なぜ地域おこし協力隊に30か所も落ちたと思う?うちに受かるためだよ」と言ってくださったんです。ドラマみたいなカッコいいセリフですよね(笑)

子どもが喜ぶにぎわいを目指す

現在は、「にぎわい創出プロジェクト」として「やちまる」を行っています。やちまるとは、「三世代まるっと笑顔で八千代町」の略です。八千代町のこどもたちが笑顔になる体験を企画提供して「楽しかった」と喜んでもらえることを一番に考えて活動しています。
にぎわい創りを考えたときに最初に浮かんだのは、こどもたちの笑顔です。地域の宝はこどもたちです。こどもたちを大切にする。こどもたちが喜び笑顔になる体験を通して、親御さんやお友達との楽しい思い出、地域への愛着が増え、住んでいる八千代町を大好きになり、大人になって社会に巣立った後、楽しかった八千代町を思い出して八千代町に帰ってくることを目指した「未来のにぎわい創り」を目指しています。

地域おこし協力隊は、三年間だけですので、一年目は、こども食堂や、障害者施設さんのカフェで、私がもともと描いていたキャラクターを「八千代町が大好き」という設定にしてお絵描きしていただく「ありがとうのカード」や八千代町の思い出を未来に繋げる「八千代町ミライすごろく」をこどもたちと一緒につくりました。
二年目は、日帰り温泉のあるキャンプ場「八千代グリーンビレッジ」で、毎月一回ミニマルシェを開催してきました。キッチンカーやワークショップなど10店舗ほど呼んで、謎解き、くじ引き、カホン演奏体験会、茨レンジャーを呼んで一緒に写真撮影など、とにかくこどもたちが楽しむことだけを考えました。

この「やちまる」の流れをそのまま、「青空市場」として名称を変え、会場である施設の会社さんが、引き続きにぎわいを作ってくださっているので、繋げられて良かったなと思います。

最後の3年目は、八千代町の桜の名所で、月替わりで菅原道真公の和歌の御朱印を出している、東蕗田天満社さんという神社があります。そこで八千代町のおいしいお茶とお菓子とカップ麺を無料で食べる体験ができる「やちまる」を毎月一回開催しています。おじいちゃん、おばあちゃんからお子さんまでいらして、400杯以上振る舞い、喜んで頂いています。

今年は3月22日から4月13日まで、「やちまる東蕗田天満社桜まつり2025」を開催します。キッチンカーが日替わりで来て、美しい桜を愛でながら、お腹も満たしていただき、土日は、こどもたちに楽しんでもらえるようなイベントを企画しました。
「うまいヌードルニュータッチ♬」でおなじみの、全国のご当地カップ麺「凄麺」を作っているヤマダイ株式会社さんの本社工場が八千代町にあるんです。そのヤマダイさんによる、新発売「茨城スタミナラーメン」の試食販売会。お子様は、お絵描きをすると凄麺学習帳をプレゼント!埼玉県の草加煎餅まるそう一福さんによる「お煎餅手焼き味付け体験」お子様50人まで無料などなど。
平日は、13時から15時まで、やちまる名物「お絵描き」「すごろく」「八千代町のイメージキャラクター白菜生産量日本一!白菜の八菜丸のシールと桜の写真をプレゼント」を実施します。食べたり飲んだり遊んだり。安らぎ、喜び、寛ぎ、皆様に楽しんで頂けたら幸いです。

活動で学んだ、「お願いすること」と「伝えること」の大切さ

実際のやちまるで学んでいるのは「調整」ですね。
今回、地元の八千代高校の学生ボランティアさんに土日に3,4人ずつお手伝いいただきます。非常にありがたいですが、全部で25人になってしまいまして。親御さんや学校の先生からお預かりする大事なお子様です。楽しんでもらって、怪我せず事故なく無事に笑顔で元気にお家にお帰りいただけるよう主催者として伝えています。実際に当日やることをお伝えして動いて休憩いただくんですが、人の流れや多さを見て調整することの大変さを実感しています。それでも皆、笑顔で「楽しかった!」と帰っていくので本当に嬉しいです。

最後は、私自身の健康の調整です。健康で笑顔で元気に皆さまをお迎えできるよう体調を整える。食事の支度など全部してくれている夫に感謝しています。
実は、茨城スタミナラーメンの試食販売会、桜は咲いたのですが、雨でめちゃめちゃ寒い日だったんです。絶対人が来ないと絶望的な気温でしたが、テントを設置して、少しでも中に入りやすいよう動線をつくり、建物の中を灯油ストーブでほかほかに暖めました。ヤマダイをさんをお迎えして、高校生ボランティアさんにお絵描きを案内頂いたおかげで、こどもから親御さん、おじいちゃんおばあちゃんまで、和やかでアットホーム、笑い声も聞こえて楽しそう!30人くらいの方に体験いただきました。
その中に「雨だけど来て〜!」って素でお願いした近所のおばあちゃんや毎日行くコンビニのお母さんにお願いした、伝えてたんです。そしたら、ふたりが、それぞれお友達4,5人連れてやってきてくださった!「ちよちゃ〜ん!来たよー!」って笑顔を見た瞬間、泣きそうでした。本当に涙が出そうな勢いで嬉しかったです。

にぎわい創りは、大事なのはコンテンツなのですが、本当に大切なのは「人だなあ」と感じます。地域のこどもたち、親御さん、おじいちゃんおばあちゃんが「楽しい」「美味しい」と来てくださること「人の力」って大きくて強くて優しくて涙が出るほど嬉しい。
大人数を集客するのではなく、来てくださった方に喜んで笑顔で満足してお帰りいただく「にぎわいの創り方」ですが、八千代町の皆さんから 元気や力を、暖かさをいただいていることに感謝の気持でいっぱいです。皆さんの応援を胸に、任期満了まで、にぎわい創りを未来につなげていきたいです。