株式会社SAKURUG 木村杏子さん【働き方の多様性を豊かに】

「ひとの可能性を開花させる企業であり続ける」というビジョンを持つ株式会社SAKURUG(サクラグ)。

積極的にDEI(ダイバーシティ-多様性-、エクイティ-公平性-、インクルージョン-包括性-)推進を行い、多様なバックグラウンドを持つ人々がメンバーとして集まっています。

SAKURUGの執行役員であり、DEI推進室の室長でもある木村杏子さんにお話を伺いました。

木村杏子さん

株式会社SAKURUG
執行役員DEI推進室 室長

医療関連会社でのマーケ部門立ち上げや、産学協働の公共貢献施設での現場コミュニケーションリーダーを経て、2020年9月広報担当としてサクラグに入社。バックパッカーとして世界33ヶ国を旅した経験を活かしながら、サクラグで働く一人ひとりが「広義での多様性を認めること」や「世界中の誰ひとり取り残さないこと」を目標として行動できる組織づくりを目指し、広報を含むプランニングディビジョンとDEI推進室を統括。

SAKURUGの事業内容

SAKURUGの事業には、2本の柱があります。

1つ目は、QDXコンサルティング事業です。こちらはWeb制作やシステム開発、スマホのアプリ開発などで、社内では「モノ事業」と呼んでいます。

2つ目はSangoport(サンゴポート)事業です。こちらは「ヒト事業」と呼んでおり、採用のマッチングプラットフォームを運営しています。様々な事情で働ける時間や場所に制約がある人にも活躍していただけるお仕事を紹介しています。現在は、子育て中の女性の方の利用が多くなっています。

どちらの事業も「ひとの可能性を開花させる企業であり続ける」というビジョンの下に展開しています。

多様な正社員として「短時間正社員」を積極的に雇用

SAKURUGの社内も約5人に1人は短時間勤務のメンバーです。

彼女達が主に担っている業務は、経理・人事・法務・秘書・広報といったバックオフィスの根幹となる部分です。会社の守りの部分は、ほとんどが短時間正社員など「働き方の多様性」を体現しているメンバーに支えられています。

それで業務が賄えるのか?と思われるかもしれませんが、実は、短時間正社員の雇用は、働く人にも会社にもメリットがあるのです。

ある業務を0.5人月の社員2名で回している場合、例えば、その内の1人が「子供が急に発熱してしまったので休みます」となった時に、もう1人の方で業務を進められるんですね。もしも、そこに1人月で働く1人の社員しかいなかった場合は、業務が止まってしまいます。

また、スタートアップやベンチャー企業を含む中小企業では、例えば法務のような専門的なポジションに1人月で雇用すると、業務に対して人が余る状態になってしまうことがあるんですね。なので、そこも「1日5時間・週4日勤務」といった短時間勤務の人が入ってくれた方が会社としては助かります。

働き方の多様性を推進することは、会社にとってメリットになるのです。

公平性も大いに推進

SAKURUGでは、世界中の誰一人として取り残さないことを目標に企業活動を行っています。そこで、「平等」と「公平」という言葉の意味の違いについて少しお話しさせてください。

例えば、高い塀の前に大人と子供が立っていて、2人とも塀の向こう側を見たがっている場合に、2人に対して同じ高さの台を差し出すのが「平等」です。そうすると、大人は塀の向こう側が見られるようになったけれど、子供は見られないまま、といったことが起こります。

だから、「公平」にするには、大人にも子供にも、それぞれの身長に合った高さの台を差し出さねばなりません。

これを踏まえたうえで、働く上での不平等についてお話しします。

例えば、家族の介護や育児をしている人には、「自分の体は元気なのに、家族が体調を崩しやすいから働けない」とか、「家族の送迎があるからフルタイムでは働けない」といったそれぞれの事情があります。それに、女性ならではの妊娠や健康の問題も、男性と比較すれば働く上での不平等となり得ます。

そういった不平等に、会社としてどのように公平なアプローチをするか。

先ほどお伝えした短時間勤務とフレックスをかけ合わせた「短時間スーパーフレックス制度」を運用していたり、必要に応じてリモートワークも取り入れています。また、妊活休暇もありますし、ピルや漢方薬の購入補助や、無料で医師にオンライン相談できる「SAKURUG Women’s保健室」といった福利厚生制度もあります。

そして、何よりも肝要となるのは、メンバーの評価を働いた時間ではなく成果や結果を基に行うということです。

メンバーが如何に業務にコミットしているか、どんな成果を出したのかを会社は見ていて、例えば私自身も0.5人月で働く短時間社員ですが、働きを評価していただき、今は執行役員・DEI推進室長という役割をいただいています。

自らの経験からSAKURUGの重要性を実感

私は元々、子供を産んでからしばらくは働くつもりがなかったんですが、子供が1才になったタイミングで育児だけの生活に息詰まってしまい、保育園を探してみたんですね。そしたら見事に待機児童問題の壁にぶつかってしまい、一時保育に預けることになりました。

そこは週に2日、8時から17時までしか預けられなかったので、私はその条件で仕事を探しました。すると、驚くほど短日数・短時間勤務の求人が見つからなかったんです。

そんな中で、たまたまSAKURUGの求人に出会い、最初は週2日の派遣社員として働き始め、今に至るのです。

自分自身にそういった経験があるので、同じように「自分の条件に合う仕事がないな」と諦めかけている方にも「Sangoportなら新しい挑戦ができるかも!」と思っていただけるようなサービスを提供し、働き方の多様性を豊かにすることで、今は貢献していきたいと思っています。

介護や育児で孤立する人を減らしたいと願いながら、仕事をしています。