派遣看護師を辞めたい!退職を伝えるタイミング・伝え方を解説

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「雰囲気があわない」「ハラスメントで体調を崩してしまった」など、派遣看護師のなかには退職を考えている方もいるのではないでしょうか。

本日はそんな方へ向けて「派遣看護師の退職理由の伝え方」「職場を円満に辞めるためのコツ」を解説します。

この記事は、職場を辞めたい派遣看護師の悩みを解決するための記事です。

心当たりがある方はぜひ最後までご覧ください。

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派遣看護師「辞めたい」意思を伝えるタイミングは?

派遣看護師はどのタイミングで「辞めたい」と伝えればいいのでしょうか。

まずは退職を伝える適切な時期やタイミングをみていきましょう。

  • 契約期間が満了するとき
  • 繁忙期や長期休暇あけはさける
  • 月末や週末、退社直前はさける
  • 退職希望日の1ヵ月以上前
  • やむをえない場合はできるだけ早く伝える

それぞれ、解説します。

契約期間が満了するとき

もっともいいタイミングは、契約期間が満了するときです。

派遣看護師は有期雇用で「3ヵ月」「6ヵ月」など、事前に契約期間は決まっています。

雇用期間が終了すると更新の確認がおこなわれ、最大3年間同じ職場で働けます。

継続の意向を確認されるのは、契約満了1ヵ月前ころが一般的です。

やむをえない事情があるときをのぞいて退職を伝えるのはこのときが望ましいでしょう。

繁忙期や長期休暇明けはさける

退職を伝えるのは、3月をはじめとした決算月や、年末年始、長期休みの前後はさけましょう。

派遣看護師の退職にあたって、派遣会社と派遣先企業で手続きが必要です。

忙しいタイミングで退職を伝えると派遣会社の手続きに不備が生じる可能性もあります。

やむをえない理由があり「どうしてすぐに伝えなければならない」といった場合をのぞいて、別のタイミングを検討しましょう。

月末や週末、退社直前はさける

月末や週末、退社直前に退職の意向を伝えるのはできるだけさけましょう。

というのもこうしたタイミングは派遣会社も忙しく、担当者も十分時間をさけない可能性があるためです。

前述したとおり、退職には派遣会社、派遣先の企業での手続きが必要です。

忙しい時間帯に伝えることで、連絡や書類などのミスにつながる可能性があります。

退職の手続きがとどこおらないためにも、「月の中旬」「週の中旬」などに連絡しましょう。

また、退職にあたって「辞めようと思った理由」「現在の職場の不満」など込み入った話になるかもしれません。

余裕を持ってヒアリングしてもらえるように時間帯は日中がおすすめです。

退職希望日の1ヵ月以上前

「辞めたい日」の1ヵ月前までには、退職の意向を伝えましょう。

退職にあたって派遣会社では人員の確保が必要となります。

また、派遣先の企業でも業務の引き継ぎやシフトの見直しなどが必要です。

「やむをえない理由」以外で、突然辞めることを伝えても「もう少し働いてほしい」と、退職が進まないことも考えられます。

スムーズに退職できるよう希望日の1ヵ月前には意向を伝えましょう。

やむをえない場合はできるだけ早く伝える

「やむをえない理由」で、突然退職したいときはできるだけ早く伝えることです。

やむをえない理由とは「家庭の事情」「体調不良」などです。

【やむをえない理由】
  • 家庭の事情:「結婚・出産・介護などにより働けなくなった」「配偶者の転勤による引越し」
  • 体調不良:「事故によるケガで働けなくなった」「精神的な病気で出勤できなくなった」
  • ハラスメント:「セクハラをうけた」「上司にひどいパワハラをうけて出勤できなくなった」

派遣社員は、有期契約であり契約期間中に辞めないことが原則ですが、こうしたやむをえない理由の場合は退職を認められています。

退職理由について正直に話すことで継続的に良好な関係を継続できるでしょう。

「派遣看護師」退職理由の伝え方【4パターン別】

では、退職の理由はどのように伝えればよいのでしょうか。

下記の4つのケースで具体的に解説します。

  • 職場の人間関係に悩んでいる場合
  • 給与や労働条件に不満がある場合
  • 正職員を目指したい、派遣以外で働きたい場合
  • 病気療養や家庭の事情で働けない場合

それぞれ、みていきましょう。

職場の人間関係に悩んでいる場合

派遣先の人間関係になじめない、コミュニケーションがうまくとれないなど、人間関係に悩んでいるときも派遣先を否定するような伝え方はさけましょう。

とくに、看護師は人間関係によるストレスに悩む方も多いものです。

日本医療労働組合連合会の調査によるとハラスメントをうける事例も確認されています

【職場でハラスメントうけたことがあるか?】

セクハラをうけたことがあるかパワハラをうけたことがあるか
よくある1.0%6.1%
ときどきある14.0%28.4%
ない76.5%51.4%
わからない8.5%14.1%

参考2022年 看護職員の労働実態調査「報告書」|日本医療労働組合連合会

セクハラは「15%」、パワハラは「34.5%」の方がうけたことがあるとしています。

パワハラやセクハラなどのハラスメントは、雇用契約を解除するための「やむをえない理由」に該当します。

契約期間中でも退職が可能なため、ハラスメントがあった場合は、そのことをかくさず伝えましょう。

給与や労働条件で不満がある場合

「二交替と聞いていたのに三交替だった」「事前に知らされた給与と異なる」など、契約時の労働条件と異なる場合も、派遣会社に相談しましょう。

このとき、あくまでも雇用契約は派遣会社と結んでいるため、派遣先に相談しないよう注意してください。

契約どおりの給与の場合でも下記の条件に当てはまるなら時給アップを交渉できる可能性があります。

退職を前提としているなら一度相談してもよいでしょう。

  • 労働条件なども見直す時期
  • 派遣先から契約延長の希望がある
  • アピールできる実績や成果が出ている

長期で働いていおり、アピールできる実績があれば「残業も多いので時給をあげてもらえませんか?」交渉します。

なお、契約どおりに働けている場合、給与や働き方への不満は、民法第628条で定められている退職にあたる「やむをえない理由」に該当しないので注意しましょう。

正職員を目指したい、派遣以外で働きたい場合

派遣社員以外で働きたいときは、そのことを正直に伝えましょう。

また、派遣会社・派遣先の企業の合意があれば、「紹介予定派遣」としての働き方への切り替えもできます。

紹介予定派遣とは、派遣社員が派遣先へ直接雇用されることを前提とした働き方です。

派遣看護師として最長6ヵ月派遣先の企業で働き、派遣先・派遣看護師・派遣元の合意があれば、派遣先との直接契約に切り替わります。

こうしたアドバイスが得られる可能性もあるため、働き方を変えたいときはそのままの理由を伝えるとよいでしょう。

派遣看護師の働き方は「派遣看護師の仕事内容|正社員・パートの違い・勤務先を解説」でも解説していますので、ご参照ください。

病気療養や家庭の事情で働けない場合

病気療養や家庭の事情は「やむをえない理由」に該当します。雇用期間中でも契約解除できる要因となるので、そのままの理由を伝えましょう。

なお、厚生労働省「看護師等(看護職員)の確保を巡る状況」によると看護師の退職には「結婚」「子育て」などの家庭の事情がかかわっているとしています。

【看護師の退職理由】

退職した理由回答した割合(複数回答可)
結婚11.6%
子育て10.5%
転居9.1%
出産・子育て8.8%
自分の健康
(主に身体的理由)
7.4%

参考看護師等(看護職員)の確保を巡る状況|厚生労働省

こうしたライフステージの変化は、退職理由の上位にあがっています。

ネガティブな理由ではないため、ありのままの状況を伝えるとよいでしょう。

派遣看護師が円満に辞めるための4つのコツ

派遣看護師が円満に退職するためにはどのようなところに注意すればよいのでしょうか。

以下の4つのポイントにしぼって解説します。

  • 退職が正式に決まってから関係者にあいさつする
  • 直接会えない人にはメッセージを
  • お礼の品は日持ちするお菓子などシンプルに
  • 貸与品は忘れずに返却する

それぞれ、みていきましょう。

正式に退職が決まってから関係者へあいさつする

辞めることは派遣会社に伝えたあと、退職が確定してから派遣先の関係者にあいさつしましょう。

というのも、派遣会社から派遣先の企業へ退職が伝わるまで、手続きなどにより時間差があります。

事前に派遣先へ辞めたいことや、不満を伝えると会社間のトラブルになる可能性もあるのです。

派遣看護師はあくまで派遣会社と雇用契約を結んでいます。

まずは、派遣会社の手続きを終えて、正式な退職が決まってから派遣先にはあいさつしましょう。

直接会えない人にはメッセージを

直接あえない人にはメッセージを残すと印象がよくなります。

あいさつは、所属する部署で役職がうえの方から回るのが一般的です。

看護師はシフトの仕事のため、直接あいさつするタイミングがない方もいるでしょう。

そういった場合は、LINEやメールでひとことあいさつを送るか「〇〇さんによろしくお願いします」と、本人へ伝わるかたちでメッセージを残しましょう。

とくに、同じ地域で看護師を続ける予定がある場合、研修会や病院間の連携時に顔を合わせる可能性もあります。

悪い印象を残さないように配慮しましょう。

お礼の品は日持ちするお菓子などシンプルに

菓子折りは必須ではありませんが、渡すことでよい印象を残せます。

退職の理由はさまざまですが、お世話になった感謝をかたちで伝えるのも社会人のマナーです。

高価なものはもらった相手も気を使うので、菓子折りをはじめとした万人ウケしやすいものがよいでしょう。

菓子折りを選ぶときのポイントは以下のとおりです。

  • 個包装のものを選ぶ
  • 常温で日持ちするものを選ぶ
  • 好みが別れづらいものを選ぶ

看護師のなかには、出勤数のすくないパートやアルバイトの方もいます。

全員がうけとれるように個包装で、日持ちをするものを選びましょう。

また、人数より多めに用意しておくと「予定外の人に渡すことになり数があわない」といったときも安心です。

引き継ぎは余裕を持ってもれなく

円満に退職するためにあなたが担当している業務は後任者に忘れず引き継ぎましょう。

一般的に、派遣看護師が責任の重い仕事を担当することはほとんどありません。

しかし、働く期間が長い方や、出勤数が多い方は「簡単な委員会活動」「病棟内の備品管理」など、軽微な業務を任されることも考えられます。

そういった場合は、業務の引き継ぎが必要です。

退職前にあせらないよう、上司や後任となる看護師に余裕をもって引き継ぎをおこないましょう。

貸与品は忘れずに返却する

気持ちよく辞めるためには、貸与品は忘れずに返却しましょう。

あやまって持ち帰ってしまうとあらためて返却手続きが必要となる可能性があります。

派遣先の会社にも迷惑がかかるため、事前にリストアップしておき退職当日にすべて返却できるよう注意しましょう。

看護師「派遣」を辞める前に知っておくべきこと

ここからは看護師が派遣を辞める前に知っておくべきことを8つご紹介します。

  • 退職届は不要
  • 退職後の公的手続きは速やかに
  • つぎの働き方はあらかじめ決めておこう
  • 不足しているスキルを把握して今後の目標を立てよう
  • 基本的に契約期間途中の退職は難しい
  • 失業保険の受給条件をチェックしておこう
  • 契約期間と残りの有給休暇日数を把握しておく
  • 辞めるときは派遣元会社の担当者に相談を

それぞれ、みていきましょう。

退職届の提出は不要

派遣看護師を辞めるとき退職届の提出は必要ありません。

退職届とは労働契約の解約を願い出るものです。

派遣看護師が労働契約を結んでいるのは派遣会社のため、派遣先企業へ提出する必要はないのです。

また、派遣会社との契約も決められた期間のものになります。

契約を更新しなければ「契約満了」で退職できるため、派遣会社にも退職届を出す必要はありません。

退職後の公的手続きは速やかに

「健康保険」「厚生年金」などの加入資格を喪失するため、つぎの仕事が決まっていない場合は、速やかに切り替えをおこないましょう。

必要な手続きは主に「住民税」「雇用保険」「厚生年金」「健康保険」の4つとなります。

なお、派遣看護師の社会保険については「派遣看護師は社会保険に加入できる?加入条件・手続きを解説」でも解説していますので、詳細が気になる方はそちらもご覧ください。

住民税の支払い

住民税は、1月〜12月までの1年間の課税所得が決まったあと、翌年の6月から翌々年の5月にかけて納付することになっています。

1月1日〜5月31日までに退職した場合、退職月の給与や退職金から一括で徴収されます。

6月以降に退職したときは、翌月以降に納付予定だった金額をみずから自治体へ納付することになるので注意しましょう。

雇用保険の給付

雇用保険は、労働者の生活や雇用を支援するための制度です。

失業時には前職の給与を考慮した給付がうけられます。

給付の対象となる方の条件は後述しますが、失業手当をうけとるためには、2年以内にハローワークで手続きする必要があります。

厚生年金の変更

退職後、離職期間があるときは国民年金の加入が必要です。

退職日の翌日から14日以内にお住まいの自治体で手続きしましょう。

なお、退職後につぎの仕事が決まっている場合は、新しい職場の担当者が厚生年金の手続きをおこなってくれます。

健康保険の手続き

雇用保険には「健康保険の任意継続」「国民健康保険への加入」「家族の扶養に入る」という選択肢があります。

健康保険を任意継続する場合、加入している保険団体の手続きが必要です。

また、国民健康保険へ加入するには、退職日の翌日から14日以内に自治体での手続きをしなければなりません。

14日を過ぎて届出した場合、届出の日以降が保険給付の対象となるため、それまでにかかった医療費は全額自己負担となるため注意しましょう。

つぎの働き方はあらかじめ決めておこう

退職を希望するときは、離職期間が長くならないようつぎの働き方をあらかじめ決めておきましょう。

看護師は働き方が多岐にわたり、就職に困りづらいと考える方も多いです。

一方で、条件がよく働きやすい職場は人気があり、求人を出さないケースもあります。

「看護師の資格があるから大丈夫」と、つぎの働き方を考えずに退職すると、希望する条件にあう仕事がみつからない可能性もあるため注意しましょう。

不足しているスキルを把握して今後の目標を立てよう

看護師として働いていくためには不足している能力を把握してスキルアップをはかるのも大切です。

看護の臨床現場で必要な能力を「臨床実践能力」とよび、以下の4つに分類されています。

ニーズをとらえる力体系的な情報収集とアセスメント(整理・分析・解釈・統合)をおこない、看護問題の優先順位を判断し、記録共有する。
ケアする力ケアのうけとのパートナーシップのもと、それぞれの状況に合わせた看護計画を立案・実施・評価し、実施した看護への対応をおこなう。
意思決定を
支える力
ケアのうけ手や関係者との信頼関係と対話、正確かつ一貫した情報提供のもと、ケアのうけ手がその人らしく生きるための意思決定を支援する。
協働する力ケアのうけ手や保健・医療・福祉および生活にかかわる職種・組織と相互理解し、知識・技術を活かしながら、情報共有や相談・提案等の連携を図り看護を実践する。

参考看護実践能力|日本看護協会

看護師に必要な能力は、手技や知識、コミュニケーションスキルなど多岐に渡ります。

看護師を続けるために、評価基準をもとに不足している能力を洗いなおして、スキルアップの計画を立てるのも大切です。

基本的に契約期間途中の退職は難しい

派遣看護師は、働く期間を事前に決めた「有期雇用契約」です。「やむをえない理由」をのぞいて原則として期間途中で退職はできません。

やむをえない理由とは、「家庭の事情」「体調不良」「ハラスメント」などにより働けない状況にあるときです。

なお、派遣看護師を辞めることになっても罰則やペナルティをうけることはありません。

労働基準法16条により、違約金や賠償金を課すことを禁止しているためです。

ただ、突然「この病院を辞めたい」といっても、こうした理由から退職をとめられる可能性もあるため注意しましょう。

失業保険の受給条件をチェックしておこう

失業保険とは、失業者が安定した生活を送りながら再就職するための支援として給付されるものです。

派遣看護師でも以下の3つの条件に該当する場合は受給できます。

失業保険の受給条件
  • 雇用保険に加入しいる
  • 働く意思があり求職活動をおこなっている
  • 離職の日以前2年間に12ヵ月以上の雇用保険の被保険者期間がある

雇用保険に加入するためには、「1週間の所定労働時間が 20 時間以上である」「雇用されてから31 日以上働く見込みがある」ことが条件です。

派遣看護師の場合は、派遣先の企業が変わっても、同じ派遣元の会社で働いていれば条件に該当します。

失業保険はつぎの就業まで安定した生活を送るために重要です。

自分が該当するかは退職前に確認しておきましょう。

契約期間と残りの有給休暇日数を把握しておく

派遣看護師でも有給を取得する権利はあります。

派遣社員が有給を申請できるのは契約期間中のみのため、退職前に使用しましょう。

労働基準法では、「雇入日から起算して6か月間継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した派遣労働者に対して、年次有給休暇を与えなければならない」と述べています。

また、2019年4月より派遣会社は、派遣スタッフに対して年間5日有給を取得させることが義務付けられています。

自分にどれくらいの有給が残っているかを把握しておきましょう。

辞めるときは派遣元会社の担当者に相談を

前述しましたが、派遣看護師が雇用契約をおこなっているのは派遣元の会社です。

そのため、退職の意向は、派遣元の担当者へ相談しましょう。

退職が決まる前に、派遣先企業へ退職を伝えるとトラブルの原因となる可能性があります。

派遣先へ退職を伝えてあいさつするタイミングは、派遣会社による手続きが完了してからになるので注意しましょう。

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まとめ

本記事は派遣看護師の辞めるために、退職を切り出すタイミングや、辞めるときのポイントなどを解説しました。

基本的に、派遣看護師は「この期間は働く」と決めて契約しているため、契約期間中の退職は難しいとされています。しかし、病気・ケガ、介護などの「やむをえない理由」は例外です。

また、派遣看護師をはじめとした派遣社員の退職について、法律上罰則はありません。

辞めたいときはまずは派遣元の担当者へ相談してみましょう。

なお、出産・育児により退職を考えている方は「産休・育休」を取得するという方法もあります。

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